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【RFIDユーザーフォーラム・レポート】UHF帯の実験がスタート,家電業界は良好な実験結果をビデオで報告(1)

 UHF帯の無線ICタグを使う実証実験が続々と始まる。総務省が2005年3月にも新たに割り当てる予定のUHF帯(950M〜956MHz)の可能性を探る実験である。

 3月16日に開かれた「RFIDユーザーフォーラム Spring 2004」(RFIDテクノロジ主催)の最後を飾ったパネル・ディスカッションでは,このUHF帯の実証実験に臨む業界を代表して,家電製品協会部長の山口 勲氏,講談社営業企画部販売開発部部次長の永井 祥一氏,日本アパレル産業協会顧問の吉村 和夫氏が参加。さらに無線ICタグの普及を推し進める経済産業省 商務情報政策局情報経済課長の新原 浩朗氏が加わり,実証実験の狙いや現状について語り合った。家電製品協会の山口氏は,3月9日に始まったばかりの実証実験の様子をビデオで紹介した。

 家電業界の実証実験ビデオでは,実際の製品パッケージなどにUHF帯のタグを貼り付け,リーダーできちんと読めている様子が紹介された。「少なくとも2m程度の通信距離で読めた」(山口氏)という。担当者が携帯電話で通話しながら無線ICタグを読み出したとき,携帯電話の通話に支障はなく,タグの読み取りにも問題がなかったことも紹介された。無線ICタグ向けに割り当てられる予定の950M〜956MHz帯は,携帯電話が使う周波数と隣り合わせ。互いに干渉しないかどうかが懸念されているが,今のところ大きな問題は見つかっていないという。

 家電業界は,家電製品のリサイクルの効率化に無線ICタグを生かそうとしている。製品に無線ICタグを埋め込んでおき,製品を廃棄する際に,どの部品が再利用できるかといった情報を簡単に調べられるようにするためだ。そのためには長い寿命の無線ICタグが必要だという。テレビや冷蔵庫といった家電製品が,10〜15年といった利用期間を経て廃棄されたときに無線ICタグが機能していなければならない。

 3月22日から実験に臨む出版業界からは,講談社の永井氏がその狙いを解説した。出版業界の大きな期待は万引きの防止。そのためには通信距離が最高70cm程度の13.56MHzの無線ICタグよりも,数m飛ぶUHF帯に期待している。店舗の出入り口などに万引き防止ゲートを設置する際,大型店では70cmの通信距離では足りないからだ。また万引き防止ゲートの設置場所は,書店の出入り口に限らない。コミックスや写真集など狙われやすい商品のコーナーの近くに設置して,大量に盗まれた場合などにそれを検知したい場合もあるという。通信距離は長いほうがゲートの設置場所に自由度が生まれる。

 書籍業界としては,万引き防止ゲートの精度向上に期待している。すでに一部の書店は,万引き防止専用の磁気タグ(EAS:electronic article surveillance)を導入しているが,ある地方の書店で次のようなことがあった。その町で著名な名士の夫人が,書籍を購入してからゲートを通ったのに警報が鳴ってしまったのだ。その話が町中に広がり,夫人は大変な怒りようだったという。菓子折りを持っていて謝るだけでは済まない事態になった。こうしたことを避けるには,「読み取り率が99.99%でも不十分。1万人に1人でも誤動作するのは困る」(永井氏)。




 [2004/03/19]

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