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実験データに学ぶRFID導入の9つのポイント(第3回-2)

金属が近くにあるとどうなる?

2004/03/23


(4)周囲の金属の影響
 電磁誘導方式のRFIDシステムは,周囲にある金属の影響を受け,リーダー/ライターのアンテナ上の交信領域が乱れ,とんでもない場所のICタグを読んだり,書き込んだりする可能性がある。そのときには,金属を遠ざけるといった対策が必要になる。ほかにも金属製の机などが近くにあり,机の足とその支えの部分などがループを作っていると,その金属ループがアンテナとして機能し,無線ICタグの読み書きに影響を与えることがある。こうした場合は,そのループを断ち切るアイソレーション対策などを施さなければならない。

(5)使用環境の時系列変化
 RFIDシステムの設置場所の環境は,ずっと設置時のままとは限らない。設置環境の変化によって突然,無線ICタグを読み書きできなくなる可能性がある。そうしたときには,エラー・データをロギングして,そのデータを分析することで発生要因を特定して対策を講じる必要がある。

金属に貼り付けると通信しにくくなる

 RFIDシステムは,一般に金属に弱い。例えば無線ICタグ,またはリーダー/ライターのアンテナの背面に金属があると,交信距離の低下を招くことなる。これを実際の実験データを使って解説していこう。

 なお実験データの測定には,オムロンの無線ICタグやリーダー/ライターを用いた。無線ICタグは,電磁誘導方式で通信する13.56MHz帯の「V720シリーズ」を使った。その実験データから,無線ICタグの一般的な性質をなるべく解説するようにしているが,実際にRFIDシステムを導入する際には他社製品のデータも参照して欲しい。特にマイクロ波方式の2.45GHz帯の製品は性質が異なる面があるので,注意が必要である。なお無線ICタグを単体で比較するときは,リーダー/ライター側の条件をそろえておくことが肝要である。

図1 無線ICタグの背面に金属がある場合の交信距離
図1 無線ICタグの背面に金属がある場合の交信距離
無線ICタグを金属物に貼り付けたりすると交信距離は短くなる。
【2004年7月30日訂正】
※図をクリックすると拡大図をご覧になれます。

 無線ICタグの背面に金属がある場合の交信距離の低下の割合を図1[拡大表示]に示した。タグを金属に直接貼り付けた場合,タグと金属間の距離は0であり,ほとんど通信できなくなることが分かる。1cm離しても交信距離は40%未満になる。5cm離せば90%まで回復し,15cm離すとほぼ100%になる。

 金属に貼り付けても通信できるように工夫した「金属対応」の無線ICタグもある。しかしそれでも交信距離が短くなることに変わりがない。

 無線ICタグの背面に合成樹脂がある場合も交信距離は短くなる。これは材料の誘電率が無線ICタグの交信周波数に影響を及ぼすためである。雨風などに耐えられるように無線ICタグを樹脂などで封止した製品を使う場合には注意が必要である。




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