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無線ICタグで変わる小売業――ドイツでのスーパーマーケット実験店に見る(第2回-3)

無線ICタグで検品,防犯,顧客サービス

2004/03/09


 スーパーマーケットの店頭にある商品のなかで,安全剃刀は比較的高額なもの。普通の購入者は一度にせいぜい1個か2個しか買わないが,万引き犯は一度にたくさん持ち出す。そこで,無線ICタグを使って,一度にたくさんの商品が取り出されると,アラームを店舗の管理センターに送る。その情報を店員に知らせ,複数の商品を持った人間を特定し,その人間がレジできちんと清算するかどうかを確認する。

CD/DVDは顧客サービスにタグを利用

写真6 CD/ビデオ/DVD売場では,顧客への視聴サービスが主な用途
写真6 CD/ビデオ/DVD売場では,顧客への視聴サービスが主な用途

 最後の実験現場はCD/ビデオ/DVD売場(写真6)だった。ここでの無線ICタグの使用目的は,万引き防止機能と,カスタマ・サービスの一環としての利用のようだった。棚にはリーダー機能がなく,販売管理にも利用されていなかった。万引き防止のために,レジの先にゲート型のアンテナを設置していて,レジで未清算の商品が通るとアラームがなるように設定されていた。

 もう一つのカスタマ・サービス用途は,商品のプロモーション・ビデオや,音楽サンプルを提供するというものだった。陳列棚の上のディスプレイにリーダー機能が組み込まれていて,無線ICタグ付きの商品を近づけると自動的に,プロモーション・ビデオなどが流れ,購入意欲を喚起しようとしているようだった。

 現場で実際に試してみると,全商品のプロモーション・ビデオがそろっているわけではないようで,商品によっては何も表示されなかった。担当者は「徐々に追加していく」と苦笑していた。

 次回は,このFuture Storeを訪問した際に生で聞いた問題点や今後の検討項目を紹介するとともに,筆者が考える無線ICタグ利用の将来展開の方向性を述べようと思う。



***** 次回へ続く *****
※次回の記事へのリンクは,次回掲載時に生成されます。




■著者紹介
わたなべけいぞう わたなべけいぞう
山口大学工学部卒業後,外資系半導体メーカーに勤務。半導体製品のマーケティングを手がける。1998年,日本フィリップスに入社。アイデンティフィケーション製品のマーケティング・マネージャとしてICカード,無線ICタグ関連製品を担当した。2003年12月に日本フィリップスを退職。そのあとも無線ICタグ関連の情報を精力的に発信中。

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