無線ICタグで変わる小売業――ドイツでのスーパーマーケット実験店に見る(第2回-1)無線ICタグで検品,防犯,顧客サービス***** 前回を読む ***** 渡辺 桂三ドイツ・デュッセルドルフ郊外の「METRO Group's Extra Future Store」(以下Future Store)における,実際の店舗での無線ICタグ実証実験。今回はいよいよ,このFuture Storeのどこで,どんな用途に無線ICタグが利用されているのかを紹介していく。 無線ICタグ実験の対象は4品種のみ
実際に訪問してみてわかったことだが,Future Store店頭でICタグが張り付けられている商品はわずか4品種。チーズ,シャンプー,安全剃刀,CD/ビデオ/DVDだけだった 注1)。生鮮食品やパンなどの食品には,無線ICタグは付けられておらず,バーコードが使用されている。これらの商品は単価が安く,日々商品が入れ替わる。Future Storeでは無線ICタグを商品の搬入時に店舗サイドで張り付けている(後述するように剃刀だけはメーカーで張っている模様)ので,生鮮やパンなどへの張り付けは手間とコストが大きくなりすぎる。 しかし,今後「手間とコスト」の問題をクリアして,無線ICタグの使用を広げる可能性も見えた。それは「Intelligent Scale」(写真1)である。野菜など青果物の値段を付ける機械で,買い物客は購入したい商品をここに載せる。Intelligent Scaleは内蔵したカメラで,商品の色と形を読み取り,それが何なのかを判断する。同時に重量も測る。その結果,上部のディスプレイに「これはスイカです。100グラムあたりの価格はxxxユーロで,この商品はyyyグラムありますから,zzzユーロになります」といった情報を表示する。もし商品が何なのか判断がつかない場合は,候補のリストを表示して,買い物客にその中から選んでもらう。 現状のIntelligent Scaleでは,値段をバーコードのラベルで出力している。だが将来的にはラベル・プリンタ部を交換して,無線ICタグ・ラベルを出力する計画があるようだった。 無線ICタグをパレット管理に使う 店舗に着いてから最初に見た無線ICタグの利用現場は,バックヤードから店舗内への搬入口(写真2)だった。ここでは販売商品そのものではなく,商品の搬入時に使用する「パレット」に無線ICタグを付けて,その管理を行っていた。 パレットは,配送センターから店舗までを往復している。パレットに張られたタグに書き込まれているのは,パレット上にある商品の情報(品目,数量,出荷日など)だ。「搬入口の幅が1メートル以上あるので,通信距離が長いUHF帯のタグを採用したが,実際には13.56MHz帯の製品でも十分だった」と担当者は語っていた。 |1/3|次ページへ
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