日本アパレル産業協会
顧問
吉村 和夫
【アパレル業界が持つ大きな課題】
日本アパレル産業協会は2004年1月下旬に,アパレル業界での無線ICタグ(RFIDタグ)導入を目指した実証実験を開始する。RFIDシステムの技術的課題と運用上の問題点を明らかにし,その結果を反映した業界標準を確立することが狙いである。標準の確立により,システム導入コストを低減し,普及を促進する。
そのための「アパレル業界標準RFIDシステム開発・実証実験」の本会議を2003年7月31日に開催した。本事業は,経済産業省の2003年度「次世代物流効率化システム研究事業」の受託事業であり,日本アパレル産業協会のSCM推進委員会(委員長:深澤恒夫・小杉産業社長)が担当する。
無線ICタグを導入すると,アパレル業界の流通業務において,大きく二つの効果があると期待できる。一つは,入荷検品や出荷検品,棚卸しなどの作業時間を40%以上削減でき,商品管理の精度が向上すること。もう一つは,作業の効率化により納品リードタイムが短縮でき,商品を迅速に店頭に展開できるようになることである。旬な商品をタイムリーに消費者に提案できるようになる。まさに,顧客満足を得るために不可欠となる,調達から販売(小売店)まで商品を効率的かつスピーディーに供給するロジスティクスへの挑戦である。
物流コストの割合が海外より2ポイント高い
アパレル業界は,衣料品と生活関連グッズを企画・開発し,消費者に提案する市場規模8兆円(卸価格)の産業である。そのうち物流費の割合は約5%(4000億円)と言われている(図1)。3%という海外の物流費と比較すると,2ポイントの開きがある。
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図1 アパレル産業における物流コスト
総売上高が8兆円であるのに対し,その5%に当たる4000億円を物流コストに費やしている。物流コストのなかで,入出荷作業にかかわる人件費が840億円である。この人件費を無線ICタグの導入により削減したいと考えている。なお今回の実証実験を実施する日本アパレル産業協会の加盟企業280社は,売上高で市場全体の43%を占める。
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