東芝は2005年5月11日,記録層を3層にして45Gバイトの記録を可能にした再生専用のHD DVDを発表した。HD DVDには,記録層が1層の15Gバイト,2層の30Gバイトのディスク仕様がある。同社は今後,DVDの規格化団体であるDVD Forumに45Gバイトのディスクを提案する予定。

 HD DVDは現行のDVDと同じ0.6mmの基盤を2枚張り合わせる構造を採る。このため,DVDの製造装置をそのまま流用でき,製造コストを抑えられるのがメリット。ただし,次世代光ディスクの競合規格であるBlu-ray Discに比べて記録容量が少ない。Blu-ray Discは1層の記録容量が最大27Gバイト,片面2層で50Gバイトである。

 45Gバイトのディスクは,記録層が2層の0.6mm基板と1層の0.6mm基板とを張り合わせて製造する。1層や2層のHD DVDと同様に安価に製造できるという。

 このほかにメモリーテックと共同で,DVDとHD DVDとを張り合わせた再生専用ディスクも発表した。DVDとHD DVD両方のプレーヤで再生できるため,現在DVDプレーヤを持っているユーザーが今後HD DVDプレーヤを購入したときに,同じディスクで高画質な映像を再生できるというメリットがある。記録容量は38.5Gバイトである。両面ともに2層構造で,DVDの面が8.5Gバイト,HD DVDの面が30Gバイトになっている。

(堀内 かほり=日経バイト)