リムーバブルHDD規格「iVDR(information Versatile Disk for Removable usage)」を推進するiVDRハードディスクドライブ・コンソーシアムは2005年4月26日,著作権保護に対応した規格「iVDR-Secure」を発表した。著作権保護技術には新たに開発したSAFIA(Security Architecture For Intelligent Attachment drive)を採用。三洋電機,シャープ,パイオニア,日立製作所の4社から成る「SAFIA License Group」がライセンスを供与する。2005年7月をメドに対象製品や料金,ライセンス・プログラムを決める予定。

 SAFIAは,鍵長が128ビットのAES暗号方式(AES-128)でコンテンツを暗号化し,PKI(Public Key Infrastracture,公開鍵暗号基盤)を使って機器を認証する。コピーできる機器の数や,メディアへのコピー回数は,コンテンツ提供者が設定できる。

 iVDR-Secure規格はSAFIAを搭載していることに加え,暗号鍵やセキュリティ関連情報を格納する「TRM」(Tamper Resistant Module)を備える。通常のハードディスク操作コマンドではTRMへアクセスできない。形状はハードディスクのサイズに合わせて3種類あり,2.5インチ型,1.8インチ型,1インチ型(暫定規格)がある。

 iVDRは,デジタル放送やネットワーク配信コンテンツなどに対応する次世代メディアとしての地位の確立を目指している。インタフェースやコネクタ形状,挿抜回数などを規定し,中味であるハードディスク容量についてはメーカーが自由に決められる。対応製品としては,アイ・オー・データ機器が2004年4月に出荷した20Gバイトの容量を持つ「iVDR-20」,USB対応のアダプタとセットの「USB2-iVDR/20」がある。iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアムでは,「光ディスクは配布用や長期保存用メディアとして使い,iVDRは一時記憶に使うメディアとして使う」と位置付けているが,認知度はまだ高くはない。同コンソーシアムではiVDR-Secureという著作権保護対応規格の策定により,今後AV機器へ普及させ市場拡大を期待している。

(堀内 かほり=日経バイト)