松下電器産業は2005年4月26日,同社の携帯向けノートパソコン「Let'snote」シリーズの夏商戦向け製品を発表した。発表したのは「Let'snote T4」,「同W4」,「同Y4」,「同R4」の4モデル。新モデル共通の主な強化点は,(1)米Intel社のモバイル向けプラットフォーム「Sonoma」に対応し,1.2GHz動作の超低電圧版Pentium M 753または1.5GHz動作の超低電圧版Pentium M 758を搭載。チップセットにはDDR2メモリー対応でDirectX 9.0対応のグラフィックス機構を内蔵する「Intel 915GMS Express」を採用,(2)512Mバイト容量のメモリーを標準搭載,(3)暗号化/復号に使う鍵データを格納する暗号化チップを追加,(4)バッテリ充電の上限を満充電容量の80%に抑えてバッテリ容量が半減するまでの充放電の回数を1.5倍程度に伸ばす「エコノミーモード」を搭載,など。同年5月20日から順次出荷開始する。

 T4とW4のみ筐体を一新した。Let'snoteシリーズは天板に車のボンネットのような凹凸の形状を設けて強度を確保している。今回の新モデルでは,凹凸を構成する平面にわずかなねじれや曲面を設けることで,筐体の強度を従来の2倍に高めた。天板全面に圧力が均等にかかった場合で100kgの荷重に耐えられるという。W4は光学式ドライブの軽量化や筐体の肉厚の削減などで従来の1.29kgから1.19kgに軽量化した。光学式ドライブを搭載しないT4は長時間のモバイルに特化。バッテリセルの数を従来の4から9に増やすことで,バッテリ駆動時間を従来の5時間から12時間に伸ばした。半面,重量は1kgから1.26kgに増えている。

 機種別の主な仕様は以下の通り。

 T4は12.1型(1024×768ドット表示)の液晶パネルを備えるB5ファイル・サイズ機。1.2GHz動作の超低電圧版Pentium M 753を搭載する。ハードディスクは40Gバイト。外形寸法は幅268×奥行き210.4×高さ24.9~44.3mm。重さは1.26kg。バッテリ駆動時間は約12時間。予想実売価格は21万5千円前後。

 W4はDVD-RAM/+RW/-RWの読み書きに対応する光学式ドライブを内蔵するB5ファイル・サイズ機。液晶は12.1型(1024×768ドット表示)。1.2GHz動作の超低電圧版Pentium M 753を搭載する。ハードディスクは40Gバイト。外形寸法は幅268×奥行き210.4×高さ24.9~44.3mm。重さは1.19kg。バッテリ駆動時間は約8時間。予想実売価格は24万5千円前後。

 R4は10.4型(1024×768ドット表示)の液晶パネルを備えるB5サイズ機。1.2GHz動作の超低電圧版Pentium M 753を搭載する。ハードディスクは40Gバイト。外形寸法は幅229×奥行き183.5×高さ24.2~41.6mm。重さは999g。バッテリ駆動時間は約9時間。予想実売価格は20万円前後。

 Y4は14.1型(1400×1050ドット表示)の液晶パネルを備えるA4ファイル・サイズ機。DVD-RAM/+RW/-RWの読み書きに対応する光学式ドライブを内蔵する。1.5GHz動作の超低電圧版Pentium M 758を搭載する。ハードディスクは60Gバイト。外形寸法は幅309×奥行き243×高さ33~46mm。重さは1.53kg。バッテリ駆動時間は約7時間。予想実売価格は26万5千円前後。
 
 インタフェースは全機種共通で,100BASE-TX/10BASE-T×1,IEEE802.11a/b/g準拠の無線LAN,SDメモリーカード・スロット,PCカード・スロット Type II×1,USB 2.0×2,外部ディスプレイ接続端子(D-Sub15ピン)などを搭載。OSはWindows XP Professional(Service Pack 2)。

(高橋 秀和=日経バイト)

松下電器産業