米Intel社は2005年3月1日(現地時間),米国サンフランシスコで開催中のIDF Spring 2005において,2005年第2四半期に投入する「Pentium D」を初めとして15種のデュアル/マルチコアCPUを開発していることを明らかにした。「性能の向上は動作周波数の向上ではなく,並列処理によって達成する」(CEOのCraig R. Barrette氏)。

 同社のCPUラインは大きく6種ある。現行製品で示すと,Itanium 2,Itanium 2/Fanwood,Xeon Processor MP,64-bit Xeon Processor w/2MB cache,Pentium 4,Pentium Mである。Itanium 2のラインはマルチプロセッサ対応で,2005年に「Montecito」,2006年に「Montvale」,さらにその先に65nmプロセスの「Tukwila」が続く。デュアルプロセッサに限定したItanium 2の後継品は,2005年に「Millington」,2006年に「DP Montvale」,その先に「Dimona」を予定している。

 Xeon Processsor MPは2005年にシングルコアで64ビット化した後,2006年第1四半期投入予定の「Paxville」でデュアルコアに対応。65nmプロセスを採用した「Tulsa」が2006年末から2007年初めにかけて登場し,Tukwilaと同じ世代の技術を使った「Whitefield」もその先に計画されている。サーバーだけでなくワークステーション用途も想定した64-bit Xeon Processor w/2MB cacheの後継は,デュアルコアの「Dempsey」で,2006年以降の登場予定だ。

 デュアルコアに対応するPentium 4の後継品は2種類予定している。HyperThreading(HT)に対応したコアを二つ搭載する「Pentium Processor Extreme Edition」と,HTを使わないコアを二つ搭載する「Pentium D(開発コード名:Smithfield)」である。2006年第1四半期には65nmプロセスによる「Presler」を投入する。

 65nmプロセスを一番先に使いそうなのがPentium Mで,2005年末から2006年初めにかけて投入する「Yonah」で採用する計画。ただしシングルコアの製品もYonahという開発コード名が与えられている。

 会場では製品化の近い3.2GHz動作のPentium Processor Extereme Editionを使って,3.73GHz動作のPentium 4の約2倍の処理速度を示す例を実演した。このほか動画のエンコーディングで約50%,MP3のエンコーディングで65%,3次元イメージの作成とレンダリングで52%の性能向上が見られたという。ただしこれらはすべて,アプリケーション自体がマルチスレッド対応しているもの。性能向上にはアプリケーションのマルチスレッド化が鍵を握る。

(北郷 達郎=日経バイト編集)