キヤノンは2005年2月18日,デジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss Digital N」を発表した。2003年9月に発売したデジタル一眼レフカメラの入門機「EOS Kiss Digital」の後継に当たる。従来よりも画素数を増やしながら,小型/軽量化を図った。価格はオープン。予想実売価格は,ボディ単体で10万円を切る見込み。標準ズームレンズ(焦点距離は35mm換算で29~88mm)付きの実売価格は12万円弱と見込まれている。レンズは,同社の銀塩一眼レフカメラが採用する「EFマウント」のものならばどれでも利用できる。出荷開始は2005年3月17日。

 EOS Kiss Digital Nは従来機種と同様,自社開発のCMOSセンサーを搭載している。有効画素数は従来の630万画素から,約800万画素に増やした。センサーのサイズは22.2×14.8mmで,従来とほぼ同じ。カラーフィルタの改良などにより集光効率を高めたほか,ノイズ除去回路を搭載し,アンプで信号を増幅する際に発生するノイズ(ランダムノイズ)や,各画素の出力特性の違いによるノイズ(固定パターンノイズ)を低減した。これらは,2004年9月に発売された上位機種「EOS 20D」に盛り込んだ技術と同じもの。

 その一方で,小型軽量化も図った。ボディの外形寸法は幅126.5×高さ94.2×奥行き64mmで,従来よりも幅が15.5mm,高さが4.8mm,奥行きが8.4mm短い。重さは485グラムで,従来よりも13%軽くなった。同社によれば,デジタル一眼レフカメラとしては世界最軽量だという。「各部品を再設計し,電力消費を抑えることで電池を小型化した。さらにモーターなどのレイアウトを見直しをした結果」(キヤノンイメージコミュニケーション事業本部服事業本部長の岩下知徳取締役)。これ以外に,これまで2.8秒かかっていた起動時間を0.2秒に短縮したり,ホワイトバランスの補正を細かくできるようにするといった改良を加えた。

(八木 玲子=日経バイト)

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