米Transmeta社は2005年1月24日,同社の省電力技術「LongRun2」をソニーにライセンス供与したと発表した。LongRun2は,トランジスタの微細化に伴って発生する「リーク電流」の削減を図る技術の総称。NECエレクトロニクス,富士通に続き3社目のライセンス供与となる。

 リーク電流は,トランジスタの電極の間隔(製造プロセスルール)を小さくしたときに,トランジスタのオン/オフに関わらず流れる電流のこと。LongRun2はトランジスタのスイッチング電圧を動的に変えることで,トランジスタがオフの時のリーク電流を抑える。詳細は明らかにしていないが,既存の製造プロセス・ルールを大きく変えることなく消費電力を削減できることを売りにライセンスの供与先を広げつつある。

 現在Transmetaは,収益の中心をx86互換CPU(CrusoeおよびEfficeon)の設計・開発・販売から,ライセンス供与から得られる収入に移す新事業戦略を策定中。CrusoeとEfficeonについては「顧客のために現行製品の供給を長期間継続できる体制を整える」(米Transmeta社CEOのMatthew Perry氏)という。ただし新CPUの開発を継続するかは明らかにしていない。新事業戦略の詳細は2005年第1四半期中に決める予定だ。

(高橋 秀和=日経バイト)

米Transmeta社