
開発コード名「Sonoma」と呼ばれていたもの。Centrino新版の特徴は,まず基本性能の向上。Pentium Mのフロントサイド・バス(FSB)は533MHzに向上し,主記憶はDDR IIに対応。これにより,同じ1.6GHz動作でも,性能が約5%向上したという。MobileMark 2002テストによるバッテリ駆動時間は1.6GHz動作で304分と,従来と変わらない。2GHz動作でも288分駆動できるという。またチップセット内蔵のグラフィックス性能も約2倍に向上させた。このほかPCI Expressに対応し,外付けグラフィックス・チップとの間のデータ転送速度を最大4倍に向上させたという。
また家庭での利用を想定し,AC97に代わり「ハイ・デフィニション・オーディオ」を搭載。5.1チャンネルまたは7.1チャンネルのサラウンド機能にも対応した。企業ユーザー向けの機能としては,オプションだがセキュリティ機能を強化した「PROSet/Wirelessソフトウェア」を用意した。IEEE802.11iとWPAに対応したほか,「トラブルシュータ」と呼ぶウイザード形式の設定支援機能も備えている。またセキュリティ機能としてはほかに,プログラムの不正な実行を制約するExecution Disable Bitも備えている。
Centrinoブランドに対応したパソコンは,同日付けで80機種以上が各メーカーから発表される。Pentium Mの動作周波数は2.13GHz~1.2GHzまで6製品。Centrinoブランドは付かないが,1.5GHzまたは1GHz動作のCeleron Mもある。
動作周波数 | 2次キャッシュ | FSB | 熱設計電力 | 1000個ロットの価格 | |
Pentium M 770 | 2.13GHz | 2Mバイト | 533MHz | 27W | 6万7190円 |
Pentium M 760 | 2.00GHz | 2Mバイト | 533MHz | 27W | 4万4620円 |
Pentium M 750 | 1.86GHz | 2Mバイト | 533MHz | 27W | 3万1010円 |
Pentium M 740 | 1.73GHz | 2Mバイト | 533MHz | 27W | 2万5420円 |
Pentium M 730 | 1.60GHz | 2Mバイト | 533MHz | 27W | 2万2040円 |
Pentium M低電圧版758 | 1.50GHz | 2Mバイト | 400MHz | 10W | 2万9960円 |
Pentium M超低電圧版753 | 1.20GHz | 2Mバイト | 400MHz | 5W | 2万7630円 |
Celeron M 370 | 1.50GHz | 1Mバイト | 400MHz | 21W | 1万4130円 |
Celeron M超低電圧版373 | 1GHz | 512Kバイト | 400MHz | 5W | 1万6980円 |