米Cincom Systems社は2004年12月16日(米国時間),Smalltalk開発環境の新版「VisualWorks 7.3」を出荷開始した。.NETアプリケーションとの相互接続機能を搭載したり,Webサービス対応を強化したのが特徴である。VisualWorksは,米Xerox社のPARCで開発されたSmalltalk-80の流れを汲む処理系だ。

 Visual Works 7.3には,.NET Framework上で動作するプログラムをSmalltalkから利用するための「.NET Connect」というコンポーネントが加わった。これまでも,COM(Component Object Model)を利用するための「COM Connect」やC/C++で開発されたDLLを利用するための「DLL&C Connect」を備えていたが,今回新たに.NET Frameworkに対応した。もう一つが,WebサービスやWebサービスを利用するアプリケーションの開発を容易にしたこと。SmalltalkのソースコードからWSDL(Web Services Description Language)ファイルを自動生成したり,WSDLファイルを読み込んでSmalltalkのソースコードを生成するためのウィザードを用意した。

 VisualWorks 7.3は,Windows向けアプリケーション開発に特化した「ObjectStudio」と併せて,「Cincom Smalltalk Fall 2004」として販売される。日本国内での価格は,1年間の使用ライセンスが1ユーザーあたり3万9500円。2月上旬には,日本語版も出荷開始する予定。英語版の年間ライセンスを購入していれば,日本語版も無償で入手できる。なお,用途が非商用開発に限定されている「Non-Commercial版」は,Cincom SystemsのWebサイトから無償でダウンロードできる。商用版との機能差はない。

(八木 玲子=日経バイト)

米Cincom Systems社