ジャストシステムは2004年12月7日,かな漢字変換ソフトの新版「ATOK 2005」を発表した。入力ミスをユーザーが手作業で修正すると,それを学習して次回の入力ミスを自動訂正する「訂正学習」機能などを新たに盛り込んだ。2005年2月10日に出荷を開始する。価格は8000円。

 訂正学習機能は,例えば「おねがい」と入力しようとして手元を誤り,「おねぎあ」と入力してしまったような場合に働く。変換キーを押すと「尾根ギア」となるが,勢いに乗ってそのまま確定してしまうことは少なくない。このときユーザーはBackspaceキーで文字を削除し,「お願い」と入力し直す。ATOK 2005はこの作業を学習し,ユーザーが再び「おねぎあ」と入力した場合に,自動的に訂正して「お願い」と候補を出す。

 また,謙譲語と尊敬語を混同した表現に対して警告を出す機能も追加した。例えば「拝読いただく」のような表現に対して,「<<謙譲語と尊敬語の混同>>」という警告メッセージを表示する。同時にツールチップで「お読みいただく」などと正しい表現を提示する。またここで「Home」キーを押すと,その表現がなぜ誤りなのか,解説を表示する。これ以外には,「ゆうらくちょう」などの町名から「東京都千代田区有楽町」といった都道府県付きの住所を出す「町名住所変換辞書」を用意したり,前後の文脈を解析して適切な語句を候補に出す文脈処理機能の強化などを図った。

 同時に,日本語ワープロソフト「一太郎2005」と描画ソフト「花子2005」,表計算ソフト「三四郎2005」も発表した。一太郎2005には,現在作成中の文書と関連の深い文書を探し出す機能が追加された。作成中の文書の基になった文書や過去に同時に開いたことのある文書,タイトルが似ている文書のリストを提示する。過去に作成した文書を参考にしたい場合に役立つ。また,前版で盛り込んだ文書のアウトライン作成機能にも改良を加えた。花子2005は,言葉と言葉の関連を簡単に図にできる「オートチャート」機能を新たに搭載したり,作成できるグラフの種類を増やした。三四郎2005は,「Excel2003」ファイル読み込みへの対応や印刷機能の強化を図った。

 価格は一太郎2005が2万円,花子2005が9800円,三四郎2005が4500円。一太郎2005と花子2005がセットになった「一太郎2005&花子2005スペシャルパック」が2万5000円。スペシャルパックの初回生産版には,三四郎2005も同梱する。

(八木 玲子=日経バイト)

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