日本IBMは2004年10月18日,Webページ作成ソフトの新版「ホームページ・ビルダー V9」を発表した。ページの配色やレイアウトをウィザード形式で設定/変更する機能や,アクセシビリティのチェック機能を新たに搭載した。2004年11月19日に出荷を開始する。価格は1万3800円。

 ページのデザインを設定するためのウィザードは「TAKUMI」という名称。Webページの配色やレイアウトのテンプレートが2100種類あり,ユーザーの選択に応じてデザインを変更できる。CSS(Cascading StyleSheet)を利用している。TAKUMIは,新規作成時だけでなく既存のWebページにも利用できる。

 アクセシビリティのチェック機能には,同社が以前から開発/無償公開していた「aDesigner」というツールを利用した。問題がある部分の色を変えるなど,チェックの結果を視覚化して示してくれる。このツールを使ってチェックできる項目は大きく二つ。一つは,Webページのテキスト情報を読み上げる音声ブラウザを利用したときの使いやすさ。音声ブラウザは,基本的にWebページの上の方から順にテキストを読み上げていく。ページの上部にあまり重要でない情報が大量に記載されていると,重要な情報が読み上げられるまでに時間がかかる。「例えばニュースサイトでは,トップニュースにたどり着くまでに3分近くかかるものもある」(同社の東京基礎研究所の前田潤治主任研究部員)。こうした問題を指摘するために,読み上げにかかる時間に応じてページの背景色を変えて表示する。もう一つのチェック項目は,高齢者や弱視,色覚異常のある人にとって見えやすいページかどうか。視力や障害の状況を設定すると,作成中のページの色を,実際にその人にとって見える色に変換して表示する。

(八木 玲子=日経バイト)

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