シャープは2004年10月15日,4Gバイトのハードディスクを搭載したザウルスの新機種「SL-C3000」を発表した。出荷開始は同年11月10日で,オープン価格。推定実売価格は8万円前後。

 ハードディスクを搭載したことにより,パソコンで利用するデータファイルなどを容量をほとんど気にせずに持ち歩ける。MP3およびWMA形式の音楽データ再生機能や,MPEG4形式の動画再生機能も備えており,マルチメディア・プレーヤとしても利用できる。USBでパソコンにつなぐと,ドライバがなくてもリムーバブル・ディスクとして認識される。

 これまでPDAは携帯性で携帯電話に遅れをとり,データ容量で専用のマルチメディア・プレーヤに及ばず,性能ではモバイルPCにかなわなかったため,市場は縮小傾向にあった。今回ハードディスクを搭載することでこういった課題を逆転させ,「携帯電話より機能豊富で性能が高く,マルチメディア・プレーヤと同等の容量を備え,モバイルPCより携帯性が高い」機器として中途半端な存在からの脱却を狙う。

 OSには米Lineo社の「Lineo uLinux」を採用。CPUは416MHz動作のIntel社のXScale(PXA270)。メモリーは64Mバイト。付属ソフトはアドレス帳やカレンダ,TODOリストといったPIMソフトのほか,画像エディタ,テキスト・エディタ,電子メール・ソフト,映像・音楽再生ソフトのほか,アクセスのWebブラウザ「NetFront」,韓国Hancom社のワープロ「HancomMobileWord」,表計算ソフト「HancomMobileSheet」などが付属する。また岩波書店のCD-ROM版広辞苑と,大修館書店の「ジーニアス英和・和英辞典」も備える。

シャープ
(北郷 達郎=日経バイト)