無線LAN機器間の認証などを行うWi-Fi Allianceは2004年10月11日(米国時間),現在IEEE802委員会において規格化作業中の「IEEE802.11n」という言葉をWi-Fi認証を取得した製品に付けることをやめるように,という異例の声明を発表した。もし,11nに準拠しているという文言が製品説明に使われている場合,Wi-Fi認定を取り消すという。

 この声明は802.11a/gよりも高速な製品で「Pre802.11n」のような名前を付けて出荷しているベンダーに対する苦言と見られる。Wi-Fi Allianceは「まだ全く規格化されていないものに11nと付けることで,将来の相互接続性が保証されずユーザーが不利益をこうむる可能性があるため」と説明している。

 IEEE802.11nは実効速度で100Mビット/秒以上を達成することを目的とした規格で2004年から議論が始まったばかり。どういう方法で高速化するか,最終的な最大速度を何Mビット/秒にするかも決まっていない状態である。規格化は2006年11月頃に完了する予定。

(中道 理=日経バイト)