米Sun Microsystemsは2004年9月30日(米国時間),J2SE(Java 2 Platform, Standard Edition)の最新版5.0(開発コード名:Tiger)を正式に公開した。Javaの技術情報を公開するWebサイト「java.sun.com」からダウンロードできる。

 J2SE 5.0では,言語仕様に大幅な拡張を施した。代表的なのが「Generics」の導入。いろいろなクラスに通用する汎用的な型を定義するための機能である。C++におけるテンプレート(パラメタライズド・タイプ)に相当する。Genericsを使うことにより,明示的な型変換(キャスト)の作業が不要になる。このほか,簡単な宣言を使ってクラスやインタフェースなどの属性情報を定義する「Metadata」,配列やリストの各要素に順にアクセスする際のfor文の記述を簡素化する「拡張for文」,intやbyteなどのプリミティブ型の変数を自動的にオブジェクト化する「autoboxing」などが盛り込まれた。さらに,パフォーマンスや安定性の向上などにも力を入れたという。

 Sunは2004年6月に開催された「JavaOne 2004」で,J2SE 5.0以降のリリースの計画も明らかにしている。J2SE 5.0のリリースは従来版の1.4のリリースから2年以上の間が空いたが,今後は1年半ごとにメジャー・バージョンアップをしていくという。2006年前半には6.0(開発コード名:Mustang),2007年後半には7.0(開発コード名:Dolphin)がリリースされる見込みだ。

(八木 玲子=日経バイト)