富士写真フイルムは2004年6月17日,薄型デジタルカメラ「FinePix F440」と「FinePix F450」を発表した。約21mmという薄さながら,光学3.4倍のズームを搭載しているのが特徴。有効画素数はF440が410万画素,F450が520万画素。2004年7月上旬に出荷を開始する。価格はオープン。実売予想価格はF440が4万円前後,F450が5万円前後である。

 両機種の外形寸法は,幅74.5×高さ62.3×奥行き21.3mm。従来機種の「FinePix F420」と比較して,容積を約30%削減した。新開発の光学ズームレンズを搭載しており,焦点距離は35mmフィルム換算で38~130mm相当。薄い筐体に収めるために,レンズ収納時に一部のレンズを横にスライドさせる構造を採用している。ペンタックスが「Optio S」シリーズに搭載している3倍ズームレンズと似た構造だという。ただ「ペンタックスのものよりもレンズ自体を薄くしつつ,3.4倍というズーム倍率を実現した」(同社)。さらに画像処理の改良により,従来機種に比べてホワイトバランスの調整精度の向上やノイズの低減などを図った。

 撮像素子は1/2.5型のCCD。同社が開発する独自構造の撮像素子「スーパーCCDハニカム」ではなく,他社製のものを採用した。「スーパーCCDハニカムは1/1.7型を対象に開発してきた。今回のような小型な機種には1/2.5型が適しているが,このサイズの撮像素子をスーパーCCDハニカムで実現するにはまだ時間がかかる」(同社)ためだ。

(八木 玲子=日経バイト)

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