イー・アクセスは2004年6月17日,下り最大47Mビット/秒,上り最大5Mビット/秒のサービスを同年8月をメドに開始すると発表した。従来のサービスの中で,もっとも高速なサービスは下り40Mビット/秒,上り1Mビット/秒だった。

 上り,下りの高速化はともに使用帯域の拡張と搬送波当たりの送信データ量の向上により達成する。

 上りは従来26k~138kHzを使って通信していたのを26k~483kHzまで拡げる。加えて,これまで搬送波の1変調当たり最大15ビットで送っていたのを16ビットに向上させる。

 下りの増速ためには,下り信号を上り帯域に重ね合わせることで使用帯域を拡張する。具体的には,26k~483kHzの部分でエコー・キャンセラ技術を使い,上り/下りを重ね合わせる。さらに,これまで搬送波の1変調当たり最大16ビットで送っていたのを18ビットに向上させる。

 サービスを受けるには新しいモデムが必要。従来の40Mサービスより高くなるかどうかは未定。

 なお,上り通信用帯域の拡張に関しては,現在TTC(情報通信技術委員会)のスペクトラム管理サブ・ワーキング・グループで議論されており,この結果次第では,上り周波数の拡張範囲が狭まり最大通信速度の拡張が限定されたり,上り拡張を利用できるのがNTT局舎から近いユーザーに限定される可能性もある。

(中道 理=日経バイト)