シャープは2004年6月10日,立体視による3次元(3D)表示に対応した液晶モニター「LL-151D」を発表した。サイズは15インチでXGA(1024×768ドット)表示。同年7月より米国で,8月より日本で出荷を始める。同社によると,パソコン用の液晶モニターで3D表示を実現した製品はこれが初めてだという。ゲームや広告の表示,CADや研究用シミュレーションなどの表示を想定している。価格はオープン。予想実売価格は11万5000円~12万円。

 3D表示はTFT液晶とバックライトの間にスイッチ液晶と呼ぶ液晶パネルを挟んで実現した。スイッチ液晶は,2D表示のときは全面で光を透過させる。3D表示にしたときは光を通す部分と遮断する部分が縦縞状に並ぶ。光を遮断する部分があることで左右の目に届く光を分離する。これにより左右の目には別々の絵が見え,立体的に見える。以上の仕組みから分かるように,3D表示にするためには,3D専用のコンテンツが必要になる。3D用コンテンツは,右目用と左目用に絵を分けることによって立体感を出す。

 3D表示にすると,解像度と輝度が半分に落ちる。このため,LL-151Dでは従来の液晶モニターに比べて輝度を370cd/cm2と高めにした(同社の15インチの液晶モニターで300cd/cm2)。モニターには3D表示と2D表示を切り替えるボタンが付いている。このボタンとアプリケーションを連携させる場合は,コンピュータにUSBで接続する。ただしOSはWindows XPに限られる。

(堀内 かほり=日経バイト)