米IPWireless社は2004年5月12日(米国時間),1900MHzと2010MHz帯の両方に対応したTD-CDMA端末の出荷を開始したと発表した。最初の出荷は同年4月にポルトガルの通信事業者SonaeCom社に対して行った。また,日本や欧州,オーストラリアの事業者に対しても順次出荷を開めているという。

  1900MHz帯と2010MHz帯はITU-TでTDD方式(上りと下りを同じチャンネルで行うシステム)用に利用することが推奨されている帯域である。これまで1900MHz帯と2010MHz帯の両方を1台で利用できる端末はなく,利用する帯域によって端末を取り替える必要があった。

  これとは別に,ITU-Tのプランバンドとは異なる2500MHz帯でのTD-CDMAサービスを始める動きもある。そこでIPWirelessは現在,1900M,2010M帯に加えて2500MHz帯も使える端末を開発中だという。もしこれが製品化されれば,1台の端末で世界中のTD-CDMAサービスを利用できる可能性が見えてくる。
 
(中道 理=日経バイト)