アイコムは2004年4月12日,一般の電話機(RJ-11の端子を持つ電話機)をIP電話対応にする無線LANアダプタ「SE-50VoIP」を発表した。同年4月28日から出荷を始める。SE-50VoIPは無線LAN機能を持ち,電話だけでなくパソコンも接続できる。SE-50VoIPは子機として働き親機となる無線LANアクセスポイントにデータを転送する。親機としては同社製のブロードバンド・ルーターが必要になる。

 親機となるワイヤレス・ブロードバンド・ルーターはSR-5200VoIPとSR-5000VoIPの2機種。内線通話のみならSR-5000VoIPが,内線通話に加えて外線通話を使う場合は代理発信機能を持つSR-5200VoIPと組み合わせる。SR-5200VoIPが対応するIP電話サービスは,フュージョン・コミュニケーションズのFUSION IP-Phone,ケイ・オプティコムのeo-netフォンである。

 親機となる無線LANアクセスポイントと通信する場合,(1)無線でつなぐ端末と有線でつなぐ端末を混在させた場合に異なるネットワークとして設定する「ルーターモード」,(2)無線でつなぐ端末と有線でつなぐ端末を同じネットワークとして設定する「ブリッジモード」という二つの形態がある。ブリッジモードの場合はアクセスポイント当たり最大6台までSE-50VoIPを接続できる。

 無線LANはIEEE802.11a/b/gの3種類に対応する。IP電話の呼制御に使うプロトコルはSIPで,UPnPに対応している。外形寸法は幅120×奥行き103×高さ29mmで重さは約300g。価格はオープンだが,予想実売価格は3万5000円。

(堀内 かほり=日経バイト)