セイコーエプソンは2004年3月16日,テレビ画面を通じてリモコンで操作できるインクジェット・プリンタ「PM-D1000」を発表した。形状はビデオデッキに似ており,テレビ出力用端子を備えている。本体のメモリーカード・スロットにデジタルカメラのメモリーカードを挿入し,画像をテレビの画面で確認しながら印刷を実行できる。2004年5月に出荷を開始する。価格はオープン。実売予想価格は4万円前後。

 PM-D1000は,幅430×奥行き420×高さ109mm。テレビラックのビデオデッキ用のスペースに収まるサイズである。印刷に必要な操作系は,ほとんど本体の前面に集中させた。紙は前面から差し込み,印刷後も前面から排紙される。テレビラックからプリンタを取り出さなくてもインクを交換できる。具体的にはプリンタの前面から,厚さ1cmほどのカード状のインク・カートリッジを1色ごとに差し込む。CD-Rラベル印刷のためのトレイも内蔵しており,特別な部品を取り付ける必要はない。

 テレビに接続するために,ビデオケーブルとリモコンが付属している。これでメモリーカードの画像閲覧や,印刷用紙の設定などが可能。画像に文字を入力したり,簡単な割付もできる。細かな設定をしたい場合は,パソコンに接続する。解像度は2880×720dpi。インク色はブラック,シアン,マゼンタ,イエロー,ライトシアン,ライトマゼンタの6色。最少インク滴は3ピコリットル。A4サイズまでの紙に対応している。メモリーカード・スロットは,Compact Flash,SDカードなどほぼすべての種類をカバーする。PictBridgeにも対応している。

 同時に,写真印刷用に特化した小型プリンタ「Colorio me」も発表した。寸法は幅256×奥行き154×高さ163mmで,重量は2キログラム。上部に持ち運び用の取っ手が付いている。対応している用紙はカード,L判,はがきサイズの光沢紙または絹目写真用紙のみ。PictBridgeに対応したカメラを接続できるほか,各種メモリーカード・スロットを搭載する。出荷開始は2004年4月23日で,価格はオープン。実売で2万円台前半になる見込みである。

(八木 玲子=日経バイト)

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