米Intel社は米国サンフランシスコで開催中(2004年2月17日~19日)の「Intel Developer Forum Spring 2004(IDF)」で液晶の省電力化技術「Intel Display Power Saving Tachnology」を公開した。今後製品化を目指す技術を展示するパビリオン「Technology Showcase」にある。

 この技術は大きく二つの要素から成り立っているまず表示する画像を解析した結果に基づき,色再現に最適な輝度に調整する技術。バックライトの光量を調整して,例えば明るすぎて色が飛ぶ場合に光を減光する。結果として消費電力を減らせる。もう一つはセンサーで外光の明るさを検知し,最適なバックライト光量に調整するというもの。暗い場所で明るすぎる画面を調整して消費電力を減らす。

 説明員によれば「液晶パネルの消費電力は14.1インチのXGA液晶搭載のノートパソコンでは5W近い。これはパソコンの消費電力のうち40%近くを占める。Intelはバッテリの駆動時間を伸ばすために,パートナー企業と共同でMobile PC Extended Battery Life Working Groupを設立した。このグループでは2004年中に液晶パネルの消費電力を3W以下に減らすことを目指している。この技術はその成果の一つ」だという。

 すでにこの技術はPentium M用のチップセット「855GM」に搭載されているという。まだこれを実装したパソコンはないが,「来週(2月23日)以降に何か発表があるかもしれない」(説明員)。なお,Intelは「2004年下半期に投入する新しいモバイル・プラットフォーム『Sonoma(Centrino Mobile Technologyの次期製品群)』でDisplay Power Saving Technology 2を投入する」と発表している。

(中道 理=日経バイト)