ジャストシステムは2003年12月3日,かな漢字変換ソフトの新版「ATOK17」を発表した。変換時に,意味は同じだが表現が違う語を候補として提示する機能を搭載したのが特徴。2004年2月6日に,ワープロソフトの新版「一太郎2004」に同梱して出荷する。ATOK17単体の出荷日は,2004年2月27日。

 ATOK17の目玉は「連想変換」。文章を入力しながら,思いついた言葉と別の表現をしたいと感じることはよくある。ATOK17では,ひらがなを漢字に変換したあとCtrl+Tabキーを押せば類似の表現を候補として表示する。例えば「かわいい」と入力して「可愛い」と変換したあとにCtrl+Tabキーを押すと,「いじらしい」「あどけない」「可憐」などの表現が表示される。ここで選んだ語が,最初に打ち込んだ語の代わりに入力される。動詞や名詞単体以外の表現も提示する。「努力」で連想変換を実行すると「心血を注ぐ」「全身全霊を打ち込む」が候補に出るなど,慣用表現にも対応している。「連想変換のために,新たに3万件のデータを辞書に追加した」(ATOKビジネスオーナーの稲野豊隆氏)。これ以外にも同音異義語の変換性能を向上させたり,人名辞書を拡充するといった改良を加えた。名古屋弁,金沢弁にも新たに対応した。

 同時に発表された一太郎2004には,文書の構成を考える作業の支援機能が追加された。文書の柱となる項目を箇条書きで入力し,それを7段階に階層化できる。これを基に,文書の骨子を肉付けしていく。文書を構造化する機能自体は従来から備えていたが,項目順の入れ替えや階層の変更をドラッグ・アンド・ドロップ操作でできるようになった。さらに,各階層ごとに文字サイズや文字色等を設定可能。

 動作環境は,Windows XP/2000 Professional/Me/98。価格は一太郎2004が2万円,ATOK17単体では8000円。

(八木 玲子=日経バイト)

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