東芝松下ディスプレイテクノロジーは,2003年10月7日から開催中の「CEATEC JAPAN 2003」において,カラー画像を読み取れる液晶パネルを展示している。モノクロ画像の読み取りが可能なディスプレイは既に発表していたが,カラー画像に対応したものを披露したのは今回が初めて。

 通常の液晶パネルに光センサーを集積している。液晶のすべての画素に,それぞれ光センサーを組み込んだ。画像を読み取るための光源には,液晶ディスプレイのバックライトを使う。原稿面に当たって跳ね返った光をセンサーで読み取り,画像を生成する。液晶のカラーフィルタをそのまま利用する。R(赤),G(緑),B(青)の各色の情報を最後に合成して,一つのカラー画像を生成する。今回開発したパネルは3.5型(対角89mm)で,画素数は320×240。同サイズの原稿をおよそ15秒で読み取れる。

 光センサーの詳細は,現段階では明らかにしていない。実用化についてもまだ検討段階にあるという。ただ携帯電話などに搭載して,指紋の読み取りや手相占いに使うといった用途が想定されている。価格は「通常の液晶ディスプレイに比べれば若干高くなるが,2倍にまではならない」(同社)という。

(八木 玲子=日経バイト)

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