OpenOffice.orgは2003年10月1日,オープンソースで開発を進めているオフィス・ソフトの新版「OpenOffice.org 1.1」を公開した。PDF出力や,縦書きに対応したことが主な変更点。「Microsoft Office」で作成した日本語ファイルをそのまま表示できるようになったことも特徴である。OpenOffice.orgのWebサイトからダウンロードできる。

 PDFだけでなく,Flashファイルも出力できるようになった。プレゼンテーション・ソフトで作成したファイルをFlash形式で出力するといった処理が可能だ。また,PDAで使われているファイル形式も読み込めるようになった。Palmで使われている「AportisDoc」や,Pocket PC用の「Pocket Word」「Pocket Excel」で作成したファイルが読み込める。英語以外の言語環境への対応も一歩進んだ。日本語の縦書きができるようになったほか,右から左へと書くアラビア語に対応したり,ウクライナ語の文字コードを扱えるようになった。

 日本のユーザーにとってメリットが大きいのは,日本語で書かれたMicrosoft Officeのファイルをそのまま表示できるようになったこと。従来は,Microsoft Wordで作成した日本語のファイルを「Writer」で開くと文字化けが起こっていた。正常に表示させるには,代替フォントへの置き換えをユーザーが明示的に設定する必要があった。この問題は1.1では解決されている。ただしメニューバーに表示される日本語ファイル名や,現在使用中のフォント名を表示したテキスト・ボックスでは,日本語が化けてしまう。こうした問題の改修は,日本語版のリリースまで待つ必要がある。

(八木 玲子=日経バイト)