2003年10月2日,エヌ・ティ・ティ エックス(NTT-X)と米Google社は日本語検索技術およびマーケティング面で提携した。NTT-XおよびNTTサイバーコミュニケーション総合研究所が保有する日本語処理技術を生かし,日本語検索サービス関連技術を共同開発する。Googleは「Yahoo! JAPAN」を始めとする国内大手の検索サイトとも提携関係にあるが,日本語処理技術を共同開発する点で一歩踏み込んだ提携内容となっている。

 提携の第1弾として,NTT-Xは同社が運営する検索サイト「goo」のエンジンを同年12月からGoogleに切り替える。単にGoogleの検索エンジンを採用するだけでなく,表記のゆれや送り仮名の違いを吸収する「あいまい検索」の機能を追加する。例えば,「祇園祭」が検索された場合に,「祇園祭り」を含むページも検索結果に反映する。

 一方Googleは表記のゆれに代表される日本語特有の問題を解決するための技術を獲得するのが目的。「言語処理の面で共同開発を考えたい」(Google業務開発・営業担当副社長のOmid Kordestani氏)。Googleの検索エンジンに日本語処理技術が組み込まれれば,提携関係にある検索サイトすべてに反映されることになり,NTT-Xの独自性はなくなる。NTT-Xの中嶋孝夫社長は「NTT-XとGoogleで共同開発した技術はGoogleの検索エンジンに反映されることもある」と認めているが,Kordestani氏はGoogle本体の検索エンジンへの日本語処理技術採用について明言を避けた。

(高橋 秀和=日経バイト)

エヌ・ティ・ティ エックス(NTT-X)
米Google社