日本ジー・アイ・ティーの試作機 通信機器ベンチャーの日本ジー・アイーティー(以下,日本GIT)は,UWB(Ultra Wideband)を用いた高速無線通信のデモンストレーションを行った。2002年4月に米Intel社が国内で開催した開発者会議でデモ公開したことはあるが,国内メーカーが公開したものとしては初めて。2003年8月28日に総務省からUWBの実験局免許を取得したことにより,UWBによる実機を用いた無線通信テストが可能になった。

 UWBは,3.1G~10.6GHzと超広帯域を利用する短距離区間向けの高速無線通信技術。2002年2月に米国で暫定的にUWBが認可されたことにより,次世代の高速無線通信として注目されている。国内では2003年4月に最初の実験局免許が発行されてから,開発が本格化しつつある。

 日本GITの試験機では,5GHz帯を中心とする約2GHz幅の帯域を使っている。現時点での伝送速度はテキストベースの通信で24Mビット/秒程度だが,「今の試作機は本来チップ上に実装する機能を複数の基盤で構成している。チップ化などによって,100Mビット/秒程度の伝送速度を実現できるという手ごたえがある」(日本GITの伊田省悟社長)という。年内に2~3個のチップで構成するチップセットを試作する予定で,2004年中の製品化を目指す。

(仙石 誠=日経バイト)

日本ジー・アイ・ティー