日揮情報ソフトウェアは2003年9月4日,UMLによるシステム分析/設計ツール「Describe Enterprise 6.1」を発表した。2003年6月に正式な仕様が決定したUML 2.0に一部対応している。複数の統合開発環境に組み込んで利用可能。2003年9月19日に出荷を開始する。

 Describe Enterprise 6.1は,米Embarcadero Technologies社が開発したもの。UMLで図を作成し,それを元にソースコードを自動生成したり,逆にソースコードからUMLの図を生成する機能を持つ。対応している言語は,Java,C#,C++,Visual Basic。準拠しているUMLのバージョンは1.4だが,今回UML 2.0で盛り込まれた新たな表記法にも7割程度対応した。シーケンス図や状態遷移図などにおける新たな表記法を使える。例えばシーケンス図では,図の中に他のシーケンス図を参照するという表記を埋め込める。図の再利用性が高まるし,大規模な図を小さな単位ごとに分割できるため可読性が上がる。ただしUML 2.0が主眼においている,MDA(Model Driven Architecture)によるソースコードの自動生成機能は持っていない。自動生成できるソースコードは従来通りクラス図を元にしたもののみで,ロジックを生成する機能はない。

 単体でも動作するが,主要なJavaの統合開発環境にも組み込める。米Borland Software社の「JBuilder」,米Sun Microsystems社の「Sun ONE Studio」,米IBM社の「WebSphere Studio Application Developer」,オープンソースの「Eclipse」で利用可能である。

 動作環境は,Windows 2000/XP。価格はライセンスの種類によって2種類ある。2003年12月20日まではキャンペーン価格として,1台のパソコンにインストールして単一のユーザーが利用するNode Lock Lisenceが19万8000円。ネットワークで接続された複数台のパソコンにインストールできるFloating Lisenceが39万6000円。Floating Lisenceではインストールするパソコンの台数に制限はないが,同時に起動できるのは購入したライセンス数分のみである。キャンペーン期間終了後の価格は,前者が45万円,後者が90万円。

(八木 玲子=日経バイト)

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