米The SCO Group社は2003年8月5日,商用Linuxユーザーに向け,同社の知的財産のライセンスを開始したと発表した。SCOは,同社が所有するオリジナルのUNIXコードの著作権をLinuxが侵害しているとしている。つまり,この“税金”を収めない限り,Linuxを利用する権利はないというのが同社の主張だ。

 このライセンスは,Linuxをバイナリ形式で利用する場合にのみ有効なもの。SCOはLinux 2.4および2.5カーネルが同社の知的財産を侵害しているとしており,ライセンスを受けることでこの問題を回避できるとしている。SCOのライセンスはランタイム利用に限ったものなので,ユーザーはLinuxが採用しているGPL(General Public License)にも従うことになるという。

 ライセンス料は,1CPUシステムの場合で699ドル(2003年10月15日まで)。マルチプロセサ・システム,デスクトップ・パソコン,組み込みシステムでLinuxを利用するためのライセンスも用意しているという。

(大森 敏行=日経バイト)