サン・マイクロシステムズは2003年7月24日,同社のブレード・サーバー製品「Sun Fire B100s」向けの構成管理ソフト「N1 Provisioning Server 3.0 Blades Edition」の出荷を始めた。各ブレードにOSやアプリケーションをリモートからインストールしたり,ブレードごとにネットワークを変えるといった設定をする。同社が提唱する自律的なシステムの再構成を可能にする構想「N1」に沿った初めての製品。今回,Provisioning Serverを使った実際のデモを実施した(右写真)。

 Sun Fire B100sは,レイヤー2スイッチを内蔵し,最大12枚のブレードを装着できる。Provisioning Serverは,Sun Fire B100s内でVLANを構成したり,OSやアプリケーションを割り当てたりできる。ネットワーク(VLAN)やブレードがアイコンとして表示されるので,管理者はマウスの操作でブレードのアイコンをつなぎ合わせ,ネットワーク構成を指定する。インストールするOSやアプリケーションの種類もGUIで設定する。

 Provisioning Serverが動いていれば,フェールオーバーも可能である。Provisioning Serverは各CPUブレードで動作するエージェント・ソフトと定期的に通信し,ブレードが動作しているかどうかを確認する。ブレードに障害が発生した場合は管理者にメールなどで通知する。管理者がProvisioning Serverの管理画面で指示すると,あらかじめ装着してある予備のCPUブレードに自動的にソフトウェアがインストールされ,動作が始まる。

 2003年末から2004年初めには次版に当たる「N1 Provisioning Server 3.0 Enterprise Edition」を出荷する。Enterprise Editionでは,他社のマシンやネットワーク機器なども一元的に管理できるようにする。OSについては,「WindowsとLinuxへの対応を優先的に進めている」(同社)という。

(安東 一真=日経バイト)