050番号は,個々のIP電話を呼び出すために用いられる11ケタの電話番号。050の次の4ケタは総務省が事業者に,その次の4ケタは事業者が個々の契約ユーザーに割り当てる。総務省に050番号の割り当てを申請できる事業者は,自らが電気通信設備を持つ第一種電気通信事業者と,第一種電気通信事業者の設備を使ってサービスを提供する第二種電気通信事業者。どちらも1万個単位で,取得したい数を申請できる。
総務省が申請を許可する条件は,IP網の回線品質の指標であるR値(関連記事)を満たしているかどうかだ。「050番号は,これまでの第一種電気通信事業者だけが取得できる番号(例えばNTT電話番号)より取得基準が緩い。ただし,限りある番号を無駄使いされると困るので番号をどれだけ許可するかは省令に従って審査する」(総務省総合通信基盤局 電気通信事業部 電気通信技術システム課の荻原直彦課長補佐)と言う。具体的には,事業者が一年後の需要を見込んだ数の050番号を申請し,総務省がその数を取得するだけの理由に適っていると判断すれば許可される。
もっとも,実際に050番号でIP電話を呼び出せるようになるには,IP電話事業者側の対応に加えて,NTT東西の交換機の対応も必要となる。NTT東西は050番号への対応時期を公表していないが,2003年夏以降になると見込まれている。
番号指定年月日 | 事業者 | 事業者種別 | 識別番号 (050の次の4ケタ) | 電話番号の個数 |
2002年 11月25日 | NTT-ME | 第二種電気通信事業者 | 5540~5569 | 30万個 |
2002年 11月25日 | ZTV | 第一種電気通信事業者(CATV) | 7000~7001 | 2万個 |
2002年 11月25日 | ソフトバンクBB(旧ビー・ビー・テクノロジー) | 第二種電気通信事業者 | 1000~1577 | 578万個 |
2002年 11月25日 | フュージョン・コミュニケーションズ | 第一種電気通信事業者 | 5500~5532 | 33万個 |
2002年 11月25日 | KDDI | 第一種電気通信事業者 | 3000~3016 | 17万個 |
2002年 12月16日 | 九州通信ネットワーク | 第一種電気通信事業者 | 6619~6620 | 2万個 |
2002年 12月17日 | NTTコミュニケーションズ | 第一種電気通信事業者 | 3300~3450 | 151万個 |
2003年 2月18日 | ぷららネットワークス | 第二種電気通信事業者 | 7500~7532 | 33万個 |
2003年 2月21日 | パワードコム(旧東京通信ネットワーク) | 第一種電気通信事業者 | 8000~8006 | 7万個 |
2003年 2月26日 | ケーブルテレビ富山 | 第一種電気通信事業者(CATV) | 2525 | 1万個 |
2003年 3月11日 | 日本テレコム | 第一種電気通信事業者 | 2000~2016 | 17万個 |
2003年 4月15日 | アイテック阪神 | 第二種電気通信事業者 | 5000~5003 | 4万個 |
2003年 4月15日 | アットネットホーム | 第二種電気通信事業者 | 8600 | 1万個 |
2003年 4月21日 | NTTネオメイト | 第二種電気通信事業者 | 2400~2408 | 9万個 |
2003年 4月30日 | ケイ・オプティコム | 第一種電気通信事業者 | 7100~7106 | 7万個 |
2003年 5月6日 | KMN | 第二種電気通信事業者 | 5200~5202 | 3万個 |