一般加入電話からIP電話に電話をかけるための電話番号,いわゆる050番号の事業者別割り当ての実態が明らかになった。総務省によると,2002年9月27日の申請受付からこれまでの間に17社から申請があり,そのうち16社に番号割り当てを実施したという()。割り当てられた050番号の個数が最も多いのはソフトバンクBBの578万個。ソフトバンクBBには,050-1000-0000から050-1577-9999までが割り当てられている。今後これらの050番号は,事業者が個々の契約ユーザーに明示的に割り当てることになる。

 050番号は,個々のIP電話を呼び出すために用いられる11ケタの電話番号。050の次の4ケタは総務省が事業者に,その次の4ケタは事業者が個々の契約ユーザーに割り当てる。総務省に050番号の割り当てを申請できる事業者は,自らが電気通信設備を持つ第一種電気通信事業者と,第一種電気通信事業者の設備を使ってサービスを提供する第二種電気通信事業者。どちらも1万個単位で,取得したい数を申請できる。

 総務省が申請を許可する条件は,IP網の回線品質の指標であるR値(関連記事)を満たしているかどうかだ。「050番号は,これまでの第一種電気通信事業者だけが取得できる番号(例えばNTT電話番号)より取得基準が緩い。ただし,限りある番号を無駄使いされると困るので番号をどれだけ許可するかは省令に従って審査する」(総務省総合通信基盤局 電気通信事業部 電気通信技術システム課の荻原直彦課長補佐)と言う。具体的には,事業者が一年後の需要を見込んだ数の050番号を申請し,総務省がその数を取得するだけの理由に適っていると判断すれば許可される。

 もっとも,実際に050番号でIP電話を呼び出せるようになるには,IP電話事業者側の対応に加えて,NTT東西の交換機の対応も必要となる。NTT東西は050番号への対応時期を公表していないが,2003年夏以降になると見込まれている。

(堀内 かほり=日経バイト)

番号指定年月日事業者事業者種別識別番号
(050の次の4ケタ)
電話番号の個数
2002年
11月25日
NTT-ME第二種電気通信事業者5540~556930万個
2002年
11月25日
ZTV第一種電気通信事業者(CATV)7000~70012万個
2002年
11月25日
ソフトバンクBB(旧ビー・ビー・テクノロジー)第二種電気通信事業者1000~1577578万個
2002年
11月25日
フュージョン・コミュニケーションズ第一種電気通信事業者5500~553233万個
2002年
11月25日
KDDI第一種電気通信事業者3000~301617万個
2002年
12月16日
九州通信ネットワーク第一種電気通信事業者6619~66202万個
2002年
12月17日
NTTコミュニケーションズ第一種電気通信事業者3300~3450151万個
2003年
2月18日
ぷららネットワークス第二種電気通信事業者7500~753233万個
2003年
2月21日
パワードコム(旧東京通信ネットワーク)第一種電気通信事業者8000~80067万個
2003年
2月26日
ケーブルテレビ富山第一種電気通信事業者(CATV)25251万個
2003年
3月11日
日本テレコム第一種電気通信事業者2000~201617万個
2003年
4月15日
アイテック阪神 第二種電気通信事業者5000~50034万個
2003年
4月15日
アットネットホーム第二種電気通信事業者86001万個
2003年
4月21日
NTTネオメイト第二種電気通信事業者2400~24089万個
2003年
4月30日
ケイ・オプティコム第一種電気通信事業者7100~71067万個
2003年
5月6日
KMN第二種電気通信事業者5200~52023万個