米SonicWALL社は2003年5月14日,無線LANアクセスポイント機能を統合した,小規模オフィス向けのファイアウォール・アプライアンス「SonicWALL SOHO TWZ」を,2003年6月中旬に出荷すると発表した。価格は19万8000円(25ユーザーまで)。

SonicWALL SOHO TWZ 製品名の「TWZ」はTrusted Zone for Wirelessの略。従来のファイアウォール製品に無線LANアクセスポイント機能を統合したもの。無線LANのセキュリティとしては,IEEE802.11規格では暗号化技術としてWEP(Wired Equivalent Privacy)が規定されているが,以前から脆弱性が指摘されていた。そこで,SOHO TWZでは,無線LANクライアントとアクセスポイント間の通信に,VPN(Virtual Private Network)を使った暗号化通信を採用することで,通信の秘匿性を高めた。VPNを使わない通信もできる。VPNを使う場合と使わない場合でアクセス制御も可能だ。これにより,VPNを利用する社員はインターネットと社内LANが使え,VPNを使わない来訪者はインターネットのみ使えるといった環境を構築できる。無線LANクライアント用のVPNソフトウェアは,クライアント数に制限なく利用できる。また,オプションの「Global VPN Client」(1ユーザー・ライセンスで1万2000円)を使うことにより,インターネットを経由したVPNも可能だ。

 WAN側/LAN側ともに,10BASE-T/100BASE-TXのEthernetポートを1基ずつ備える。対応する無線LAN規格はIEEE802.11b。ファイアウォールのスループットは75Mビット/秒で,同時接続数は6000セッション。VPNを利用した場合のスループットは20Mビット/秒(3DES使用時)で,同時に利用できるトンネル数は10である。

(仙石 誠=日経バイト)

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