ジャストシステムは2003年5月15日,ワープロソフト「一太郎」とかな漢字変換ソフト「ATOK」のLinux版を今年度末に発売すると発表した。名称は「一太郎 for Linux」と「ATOK 16 for Linux」。既に開発に着手しており,2004年3月前後の出荷を予定している。ATOKのLinux版は従来からあったが,Linux版の一太郎を発売するのは今回が初めて。

 一太郎 for Linuxは,Windows版一太郎の最新版「一太郎13」と同等の機能を持つものになる見込み。一からLinuxに移植するのは大変な作業になるので,今回はオープンソースのライブラリ「Wine」を利用する。これはX Window SystemやUNIX上でWindowsのAPIを再現するもの。しかし将来的には「Linuxネイティブで開発したい」(同社)としている。

 同社はこの2製品以外にも,デスクトップ向けのLinuxアプリケーションを開発・発売する意向を表明している。「既存のWindows用製品をLinuxに移植するだけでなく,Linux向けにまったく新しい製品を開発することも考えている」(同社)。サーバー向けの全文検索システム「ConceptBase Search」などでも,Linux版への対応を進めている最中だという。

(八木 玲子=日経バイト)

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