NTTドコモは2003年4月22日,Windows CEを搭載した携帯情報端末の新製品「sigmarionIII(シグマリオンIII)」を発表した(写真上)。800×480ドットと同社の従来製品より高解像度のTFT液晶を搭載しているのが特徴。実売価格は6万円弱の見込み。発売時期は「早くても5月末以降」(同社MMターミナル開発部の入鹿山剛堂担当課長)だという。従来のsigmarionと同じくNECが製造する。

 ディスプレイは5インチの半透過型TFT液晶で,直射日光下でも見やすいという。ただ,小型ディスプレイで解像度を上げたため,表示される文字は小さく読みにくくなった。この欠点を補うため,英Picsel Technologies社の「Picsel Browser」というWebブラウザ兼ビューアを搭載する。簡単なペン操作でスクロールや表示の拡大/縮小ができる(写真下)。ビューアとしては,PDF,PowerPoint,Word,Excelの各フォーマットと画像ファイルに対応している。

 カードスロットは,TYPE IIのCompactflashカードスロットとSDカード/MMCスロットの二つを搭載する。CFタイプのPHS通信カード「P-in」シリーズが利用できる(定額PHS通信サービス「@FreeD」にも対応)。SDカード/MMCスロットはSDIOに対応しており,SDカード型の通信カードが使える。

 USBポートも備えており,パソコンとのデータ連携や,FOMA/携帯電話/PHSを介したデータ通信ができる。周辺機器も,ドライバが用意されていればUSBで接続できる。ただし,いずれの場合もそれぞれオプションの接続ケーブルが必要である。

 重量は455gで,従来製品のsigmarionIIより45g軽くなった。外形寸法は189×117×21mmで,厚さはsigmarionIIより6mm薄い。キーピッチは従来と同じ14.1mmを確保した。バッテリ駆動時間は,非通信時で4.5~8時間,通信時で3~5時間。オプションの大容量バッテリを使用した場合は,非通信時で約16時間の駆動が可能。

 搭載OSは,Windows CE .NET Version4.1。CPUは400MHz動作のPXA255。メモリー容量は,RAMが64MバイトでROMが32Mバイトである。

(大森 敏行=日経バイト)