無線LAN技術を使い,ブロードバンド・インターネット・サービス事業を展開していたスピードネットが解散する。プロバイダの営業権を6月1日に東京電力へ譲渡し,そのあと解散すると2003年3月26日に発表したのだ。スピードネットは,東京電力とソフトバンク,米マイクロソフトが1999年に共同で設立して話題を集めたが,加入者数は約3万と低迷していた。

 スピードネットのサービスは,集合住宅が主なターゲット。近くの電柱に無線のアクセスポイントを敷設し,アクセスポイントとインターネットの間は東京電力の光ファイバで接続する。個々の住宅までは無線LANでつなぐという形態だった。設立当時,無線LANはADSLや光ファイバと並んで,高速インターネット・アクセス回線と目されていた。しかしADSLサービスの急激な低料金化と普及に伴い,競争力を失ってしまった。東京電力は今後,5GHz帯の無線LAN技術を導入し,20Mビット/秒を超える高速サービスを投入するなど,ADSLサービスに対抗していく考えだ。

 

(安東 一真=日経バイト)