日本セキュアジェネレーションは2003年3月11日,指紋照合のサーバー用ソフトウェア「SecuSearch(セキュサーチ)」を発表した。新たな照合アルゴリズムを採用することで,従来よりも指紋照合を100倍程度高速化した。2003年4月1日より販売を開始する。価格は,1サーバーあたり57万円から。

 SecuSearchは,指紋認証に使う情報をインデックス化しておくことで高速化を実現した。指紋認証には,一般に「特徴点」と呼ばれる情報が使われる。特徴点とは,指紋の模様が分岐していたり,とぎれたりして指紋の形状の特徴となっている部分のこと。一つの指紋から複数の特徴点を抽出し,その形状や位置を比較するのが,現在指紋認証で主流となっているやり方だ。日本セキュアジェネレーションもこの方法を採っており,一つの指紋につき70~90個所の特徴点を利用しているという。

 従来は特徴点の情報を一人分ずつ順に逐次比較していたため,サーバーに多くの指紋データが登録されていると照合に時間がかかった。これに対してSecuSearchは,登録されている特徴点情報のバイナリ・データからインデックスを作成している。認証時には,その人の指紋から抽出した特徴点を元にこのインデックスを参照し,合致するデータを見つけ出す。同社によれば,動作周波数400MHzのPentium II搭載マシンを使った場合,1万人の指紋データが登録されていても平均1秒で照合が完了するという。従来の方法では100~150人分の登録データしか照合できなかった。約100倍程度高速化できたことになる。

 同社が販売する,光学式の指紋読み取り装置とともに利用する。指紋の認証精度は,本人を認識できない確率が0.1%。他人を許容してしまう確率が0.001%。対象OSは,Windows NT 4.0とWindows 2000。

(八木 玲子=日経バイト)

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