ソニーは2003年3月3日,DVDの約5倍の容量を持つ次世代光ディスク規格「Blu-ray Disc」に対応するレコーダー「BDZ-S77」を発表した。Blu-ray Disc規格の初の製品である。同年4月10日から出荷する。同時に23Gバイトの容量を持つ記録用メディア「BF23G」も出荷する。

 Blu-ray Discはデジタル・ハイビジョン放送を長時間記録するために考えられた規格。BDZ-S77はBSデジタルチューナーを内蔵する。デジタル・ハイビジョン放送を高画質モード(1080i/720pモード:記録時転送速度は24Mビット/秒)で約2時間記録できる。

 BDZ-S77は,デジタル・ハイビジョン放送だけでなく,現在の地上波のアナログ放送もMPEG-2で記録する。高画質モードで約3時間,標準モードで約6時間,長時間モードで約12時間記録できる。

 Blu-ray Discは青紫色レーザーを使用し,現行のDVDにおける大容量化技術の最高スペックとなる規格。その分,製造が難しい。ディスクの構造はDVDのように0.6mmの基板を2枚張り合わせたものではなく,1.1mmの基板に0.1mmの保護膜を付けたものなる。記録するピット(ディスク上にレーザーで刻むくぼみ)を微小化するために,焦点距離を短くしたためだ。このような構造であるため,メディアは衝撃や指紋に弱く,カートリッジが必要になる。メディアに搭載されている著作権保護機能は,一回のみの録画が許されているコンテンツにも対応する。

 レコーダーであるBDZ-S77の外形寸法は幅430mm×高さ135mm×奥行き398mmで約14kg。Blu-ray Discだけでなく,DVDビデオ,DVD-RW/R,CD,CD-RW-Rを再生できる。DV端子を備えており,デジタルビデオ・カメラとつないで映像をダビングできる。価格は,45万円(税別)。BF23Gは3500円(税別)。

(堀内 かほり=日経バイト)