ノベルは2003年2月20日,Webサービスを利用した大規模アプリケーションを開発/運用するための製品群「exteNd」を発表した。(1)メインフレームやデータベース(DBMS)などをSOAP(Simple Object Access Protocol)を通じて利用可能にする「exteNd Composer 4.1」,(2)ユーザー個別のワークスペースをWebサイトで実現する「exteNd Director 4.1」,(3)Java2 Enterprise Edition 1.3(J2EE 1.3)に準拠したアプリケーション・サーバー「exteNd Application Server 4.0」の3製品である。これらはいずれも2002年6月に買収した米SilverStream Software社の「eXtend」の後継製品である。

 ComposerとDirectorは,J2EE 1.3のプラットフォーム上で動く実行部分とWindows 98/NT/2000上で動く開発ツールからなる。exteNdに特化しておらず,J2EE 1.3に準拠したアプリケーション・サーバーであれば実行可能。例えば米BEA Systems社のWebLogicや米IBM社のWebSphereでも動作するという。

 ComposerはSOAPやEJB(Enterprise JavaBeans)などを通じて寄せられた要求に基づいてデータベースからデータを取り出してXML形式のデータに変換したり,既存のシステムに形式に変換して格納を依頼したりする。米IBM社の3270/5250やCICS,Telnet,JMS(Java Messaging Service),MQ Seriesなどのプロトコルで通信するモジュールを別途用意している。興味深いのは,Telnetや3270などのコンソールに表示するデータでもWebサービスにマッピングできること。開発時にはこれらのウインドウにデータを表示させ,XML形式で出力したいデータを選択して,XMLの書式にマッピングする。

 DirectorはGUIツールを使って,コーディングせずにページを作成できる(Javaを使ってコーディングすることも可能)。具体的には,ディレクトリ・システムを利用して個人ごとにカスタマイズしたり,適切なWebサービスを利用したワークフローなどを作成する。ビジネス・ルール,認証,パーソナライゼ―ション,検索などを管理/実行するエンジンを備える。

 全製品とも出荷開始は2003年3月14日。価格はオープン。Composer,Director,Application Serverのすべてで1260万円程度になるという。また,運用できない開発者向けのライセンスだと,同様の構成で28万円程度。なおこれまでSilverStream社製品はテクマトリックスが独占的に販売してきたが,今後も代理店として販売を継続する。

(中道 理=日経バイト)