ボーランドは2003年2月18日,Javaアプリケーション開発プロセス全般を総合的に支援するツール群「Borland Enterprise Studio 5 for Java」を発表した。目玉は先月買収を完了した米TogetherSoft社のUML(Unified Modeling Language)によるモデリング・ツール「Borland Together Edition for JBuilder」をバンドルしていること。これまでも画面設計などのビジュアルな設計とソースコードを同期させ,一本化して管理できる「2-Way Tool」と呼んできたが,これをUMLによるモデリングとも連携できるようにした。これにより開発のライフサイクル全体で一つのソースコードの情報を反映させることができるようにる。これを「Live Source」と呼んでいる。

 Enterprise Studioは大きく,(1)ソースコード編集やコンパイルなどを実施する「JBuilder 8」,(2)上流設計を担当する「Together」,(3)性能評価やテストなどを担当する「Optimizeit Suite」,(4)Java2 Enterprise Edition(J2EE)仕様に準拠したアプリケーション・サーバー製品「Enterprise Server」,および(5)データベース・エンジンである「JDataStore」から成る。特徴としては,JBuilderで編集したソースコードの変更点をTogetherのモデルに反映させたり,モデルに施した変更内容を自動的にソースコードに反映させるといった連携が可能なこと。この機能自体は元々Together社の製品である「Together Control Center」でも実現できていたが,その開発環境がJBuilderになったと考えればよいだろう。

 Windows NT 4.0/2000/XP,Solaris 8,Red Hat Linux 7.2で動作する。価格は95万円。Together単体でも販売する。また同時に,Javaアプリケーション・サーバーの個々のコンポーネントに対する性能評価が可能な「Optimizeit ServerTrace」も発表した。

(北郷 達郎=日経バイト)