NTTアドバンステクノロジは東京・有明で開催中の「ファイバーオプティクスEXPO」に小型軽量のメディア・コンバータを展示している。大きさはコネクタと間違えるほど小さい(写真のオレンジ色の部分)。重量は約10gである。「おそらく世界で最小最軽量」(同社先端技術事業本部の阿閉資之担当課長)だという。消費電力は0.8Wと従来製品の約10分の1程度になるという。2003年3月から,2万円程度で販売する。

 同社はこのメディア・コンバータを「Mediapop」という名称で販売する。Mediapopは一方が光回線に接続する2心のMU型コネクタ,もう一方がEthernetに接続するためのRJ-45のコネクタになっている。Mediapopは対で使う。一方をパソコンなどの端末,もう一方をハブにEthernetで接続する。Ethernetは10BASE-T/100BASE-TXに対応する。光区間の伝送方式は独自である。2心のケーブルを使って,上りと下りとも850ナノmの波長の光信号をやり取りする。通信速度は100Mビット/秒で,2kmまで伝送できる。

 Mediapopは当初は工場内や事務所内のネットワーク構築用に売り込む。そして1年後をメドにFTTHのサービスに使える仕様の製品を投入する。具体的には,光伝送の区間を100BASE-FXなど標準化された技術にしていく。

 Mediapopはいくつかの工夫によって小型軽量化を実現した。きょう体の一部にスチールを使い放熱効率を上げたり,光-電気信号の変換部を小型化したりした。また,今回は光伝送の部分を独自方式にすることで,回路を簡素化したという。これらの技術はNTTマイクロシステムインテグレーション研究所とともに開発した。

(市嶋 洋平=日経バイト)