モバイルインターネットサービス(MIS)は2002年12月5日,無線LANを使ったインターネット接続サービスを休止すると発表した。MISは2002年4月から屋外における無線LANを使ったインターネット接続サービス「Genuine」を提供していた。同日から解約申し込みを受け付ける。解約した場合,初期手数料と残りの利用料金を返還する。Genuineのユーザー数は公表されていない。

 休止に至った理由は,「稼動率がきわめて低いアクセスポイントがあるなど,思ったようにユーザーを獲得できなかったため」(広報)。MISは現在,東京の三軒茶屋や新宿などに約250の基地局を設置している。12月下旬をメドに基地局の数を減らし,しばらくは実証実験の形態で運営を続ける。「今後はアクセスポイントの設置場所を見直したり,IP電話を提供するなどしてサービス再開を目指す」(広報)。 

 Genuineの特徴はモバイルIPを採用していたこと。モバイルIPは,アクセスポイントが変わってもIPアドレスをそのまま継続利用できる仕組みなので,移動しながら通信する場面でも通信が途切れないというメリットがある。また無線LANはセキュリティが弱いとして,独自の暗号技術を盛り込むなどしていた。今後はこれらの技術を他社に提供するビジネスも手がけるという。

(市嶋 洋平=日経バイト)