台湾Silicon Integrated Systems社(以下,SiS)は2002年11月18日に発表した同社の新チップセット,「SiS655」および「SiS755」をデモンストレーションした。それぞれ,Hyper Threading機能を持つPentium 4と,HammerアーキテクチャのAthlonに対応したチップ・セット。いずれもノース・ブリッジ/サウス・ブリッジをつなぐバスが533MHzと高速なのが特徴。これにより,1Gバイト/秒でデータ転送が可能である。AGP 3.0にも対応しており,8xモードを持つ。デモは,同社が試作したマザーボードを使って行われた。

 SiS655は,米Intel社製のPentium4に対応したチップ・セット。655はCPUやメモリ,AGPバスとのデータを制御するノース・ブリッジの型番。SiS655はメモリ・バスを2チャネル持つ。主記憶は動作周波数333MHzのDDR DRAMに対応。「正式にサポートするのは333MHzまでだが,実際には400MHz程度までは動作可能なマージンがある」(Application EngineerのDickson Chiu氏)という。同社はすでにチップ・セットの製造に着手しており,2002年末から出荷が始まる。

 SiS755は米Advanced Micro Devices社(AMD)のCPU「Athlon 64」などHammerアーキテクチャに対応したチップ・セット。Athlon 64がメモリ・コントローラを内蔵するため,SiS655とは異なりメモリ・バスは持たないが,533MHzのシステム・バス,8xモード対応のAGPバスを持つという点は共通している。製造はすでに始まっているが,出荷は「AMDによるAthlon 64の出荷と同時になる」(同氏)。

 いずれも,PCIバスやI/Oを司るサウス・ブリッジはSiS963を採用した。USB 2.0,IEEE 1394aに対応しており,PCIバス・スロットは最大6基備えることができる。

(仙石 誠=日経バイト)