シャープは2002年11月13日,同社が開発した3D表示が可能な液晶を搭載した初めての製品であるNTTドコモ向け携帯電話「SH251iS」を発表した。2002年11月16日に出荷を開始する。この3D液晶は,シャープが2002年9月27日に発表したもので,2002年10月に開催されたWPC Expo 2002などで展示していた。専用のメガネを使わなくても立体表示ができるのが特徴である。

 SH251iSは,ディジタル・カメラを内蔵した「iショット」対応端末。「3Dエディタ機能」により,ユーザが撮影した画像をソフトウェアで3D画像に変換し,3D液晶で立体的に表示させられる。

 3D液晶は通常のTFT液晶とバックライトの間に「スイッチ液晶」と呼ぶ液晶を挟む構造になっている。スイッチ液晶には視差バリアというスリットがあり,このスリットを通る光をオン/オフで切り替える仕組みだ。オンの時は2D(平面)表示,オフの時は3D(立体)表示になる。スリットを閉じて光が通る部分と通らない部分が縞状にできることで,目の錯覚を使って立体的に見せる。各画素は半分に分かれており,右目用と左目用の画像を表示する。

 ただし,3D液晶は視野角が狭いという欠点がある。同社は「携帯電話なら真正面からしか見ないので3D液晶の表示に問題はない」としている。

(堀内 かほり=日経バイト)