キヤノンは2002年10月2日,解像度を従来機種の2倍に高め,さらにインクの液滴の大きさを半分にすることで画質を高めたインクジェット・プリンタの新機種「950i」を発表した。2002年10月4日より出荷を開始する。価格は5万9800円。

 従来の「F930」の後継となる。F930の解像度が2400dpi×1200dpiだったのに対し,4800dpi×1200dpiと解像度を2倍にした。また,インクの液滴を従来の4ピコリットルから2ピコリットルに小さくして精細度を上げた。同時にノズルの数を増やして速度低下を抑えた。従来の2倍の解像度ながら,従来と同じ速度での印刷が可能となった。A4サイズの写真を約1分で印刷する。また,CD-Rメディアへの直接印刷も可能。

 色再現機構を改良し,「より好ましい色」で印刷するようにした。日,米,欧のプロのカメラマン20人,一般の人30人に対してどの色が好ましいか19の画像で比較テストを実施し,分析した結果を色再現に反映している。特に,肌色の改良に力を入れたという。インクはイエロー,マゼンタ,シアン,フォトマゼンタ,フォトシアン,ブラックの6色。それぞれ独立したインク・タンクを持つ。

 同時に,5ピコリットルと2ピコリットルのノズルを配置して従来機種よりも画質を高めた「850i」や,カラー・コピー,プリンタ,スキャナの機能を持ち,メモリ・カードを挿入してディジタル・カメラの画像の直接印刷もできる複合機「MP10」なども発表した。どちらも出荷開始は2002年10月4日で,価格は4万4800円。

(八木 玲子=日経バイト)

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