KDDIは2002年9月20日,頻発する国際電話への不正ダイヤルアップ事件に対抗するため,トラブルの多い地域への国際電話サービスを一時休止すると発表した。

 具体的には,ディエゴガルシア(Diego Garcia,国番号246)とセイシェル(Seychelles,国番号248)への電話サービスを禁止する。どちらもインド洋上の島国である。オペレータを介した通話,クレジット・カード/プリペイド・カードを使った通話は,被害が出にくいと考えられるため,従来通り継続する。

 電話サービスの休止は2002年12月16日から実施する。休止の発表から3カ月間後に実施するのは,顧客への通知を十分に行うためである。

 不正ダイヤルアップ事件とは,巧みな誘導によってWebページから不正なActiveXコントロールや実行ファイルをダウンロードさせ,デフォルトのダイヤルアップ先を海外に書き換えるというもの。ここ数年,多くの被害が総務省や国際電話会社などに報告されていた。

 「ディエゴガルシアとセイシェルへの通話を禁止したのは両国に対するものが被害の95%以上を占めるため。今後の被害状況を見ながら,対象国を増やすなどを検討する」(KDDI広報部)という。休止した電話サービスの再開は「被害の根源がなくならない限りない」(KDDI広報部)決意だという。

(中道 理=日経バイト)