米XilinxとNECは2002年9月9日,米国サンノゼで開催されている「Intel Developer Forum Fall 2002」で,次世代インタフェース「PCI Express」をデモンストレーションした。実機によるデモはこれが初めてである。PCI Expressは,パソコンの内部バス・インタフェースであるPCIの後継としてPCI Special Interest Group(PCI-SIG)が2002年4月に策定した規格。以前は「3GIO」と呼ばれていた。

 Xilinxは,一つのきょう体に2台のパソコンを内蔵し,両者の間をPCI Expressで接続してデータをやり取りして見せた(写真上)。具体的には,それぞれのシステムのマザーボード上にあるPCI-XのスロットにPCI Expressのチップが載ったカードを差し,2枚のカードの間をケーブルで接続した。Xilinxはチップを製造せず,PCI Expressの回路設計(IPコア)をチップ・メーカにライセンスする。IPコアの提供はすでに可能だという。

 PCI Expressには,複数の接続(レーンと呼ぶ)を使って高速にデータを転送するモードもある。通常のモードがx1で,4本のレーンを使う場合はx4,8本のレーンを使う場合はx8になる。Xilinxのデモがx1だったのに対し,NECはx4のデモを行った(写真中)。デモは2種類。安価な4層基板でも電気的仕様を満たすことを確認するデモとPCI Expressプロトコルにのっとったパケット伝送(論理的仕様)のデモである。パケット伝送のデモでは,動作周波数は規格に定められた2.5GHzではなく,4分の1の625MHzで動作させた。製品になれば2.5GHzで動作する。同社はPCI Expressで用いるコネクタも公開した(写真下)。

 NECはIPコアではなく,PCI Expressの機能を組み込んだASIC(カスタム・チップ)として販売する。ASICの発売時期は,2003年初めを予定している。

(大森 敏行=日経バイト)