東京地方裁判所は2002年9月5日,Webべースのグループウェアを開発/販売するサイボウズが同業のネオジャパンを相手取って起こした販売差し止め請求を棄却した。サイボウズは,ネオジャパンが開発/販売する「iOffice ver.2.43」及び「同ver.3.0」が「サイボウズ Office」シリーズの複製,模倣であり著作権を侵害すると主張し,2001年1月に裁判を起こしていた。2001年6月に下された仮処分では,iOffice 2.43についてはサイボウズの主張が認められていた。

 サイボウズによると,東京地裁は「ソフトウェアの画面表示自体は著作権保護の対象となり,ビジネス・ソフトにおいても当てはまる」との解釈を示した。その上で,サイボウズとネオジャパンのソフトウェアについて「表示画面は,掲示板,システム手帳などのソフトで見られるありふれた構成」として創作性を認めなかった。

 サイボウズの高須賀宣CEOは「ソフトウェアを開発する側の創作性を考えていない。著作権保護の観点から控訴する」と不満を露わにする。サイボウズ側の小川義龍弁護士は「ソフトウェアの表示画面の創作性と,ネオジャパンのソフトとの類似性について説明していく」との方針である。今月中にも控訴の手続きをする考えだ。

(堀内 かほり=日経バイト)